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【学級崩壊=失敗】じゃなかった|“壊れた”ことで見えた子どもたちの本音

こんにちは、ねこまるです。
小学校で発達障害児や特別支援学級児童の支援員をしながら
先生のサポートをする仕事をしています。

「学級崩壊」
——この言葉を聞くだけで、胸がざわつく先生もいるかもしれません。

「今のクラス、どうしたらいいのか分からない」
「もう“学級崩壊”なんじゃないか…」
そう思いながら、今日も何とか目の前の子どもたちに向き合っている先生へ。

この記事では、「学級崩壊 立て直し」に悩む先生に向けて、“崩れたからこそ見えたもの”に目を向けるヒントをお伝えします。

私自身、過去に「学級崩壊 立て直し」と必死に検索し、たくさんの情報に触れました。でも、そのとき本当に必要だったのは、「誰かの成功例」ではなく、「自分の経験を否定しない視点」だったのだと、今になって思います。

学級崩壊は、失敗ではありません。
むしろ、子どもたちの心の声を拾うチャンスなのかもしれません。

この記事では、「学級崩壊」「立て直し」という言葉に振り回されず、自分と子どもを信じて、また一歩を踏み出せる考え方と行動を、実例とともにお届けします。

 

Contents
  1. そもそも「学級崩壊」とは?|見えにくい兆候とその本当の意味
  2. 「学級崩壊=失敗」ではなかったと気づいた瞬間
  3. 自分を責めない“立て直し”のための5つの行動
  4. 「立て直し」は“関係”から始まる|クラス再生の3つのヒント
  5. 本当に困っているのは誰か?|学級崩壊を見つめ直す視点
  6. まとめ|学級崩壊に向き合うあなたへ伝えたいこと

そもそも「学級崩壊」とは?|見えにくい兆候とその本当の意味

学級崩壊の定義とは?

「学級崩壊」と聞くと、教室が荒れて教師の声が届かない状態を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、実際にはもっと広い意味があります。

・授業中に立ち歩きや私語が止まらない
・教師の話に反応がない
・生徒同士の関係がギスギスしている

これらが重なり、「学び」の場として機能しなくなった状態が学級崩壊です。

気づきにくい“静かな学級崩壊”もある

学級崩壊には目立った荒れだけでなく、「静かな崩壊」も存在します。

・指示に従うが内心では反発している
・発言や意欲が極端に低下
・誰も本音を語らず、表面的な静けさだけが残る

教師にとっても見えにくく、対応が後手に回りやすいのが特徴です。

「問題行動」ではなく「SOSサイン」として見る視点

「授業妨害」と捉えがちな行動も、実は子どもからのSOSかもしれません。

・家庭の不安定さ
・承認欲求の未充足
・教師との信頼関係の不足

一見「わがまま」「反抗的」に見える行動の裏に、助けを求める気持ちが隠れていることがあります。

「学級崩壊=失敗」ではなかったと気づいた瞬間

崩れた教室で見えた子どもたちの本音

授業中に注意しても無反応、私語が止まらない。
そんなことはよくあることです。
しかしそんな日々が続くと、教師自身もなんだか「どうせ誰も聞いていない」と諦めてしまいますよね。

まあ、授業もこんなもんでいいか。。

この一時間やり過ごせば・・
今日も一日何とかやりすごせば・・

そんな中、ふとした会話の中で「先生、もう怒らないの?」とつぶやく子どもが出てきます。

怒られても無視している子がたくさんいる中で自分の声を外に出した子どもがいました。
意を決して発言したというよりは、ふと思った!という感じ。

それは、「見放された」と感じはじめた子どもの心の声でした。

「子どもが荒れる=悪い子」ではなかった実例

特定の子が毎朝不機嫌で、教室の空気を悪くしていたケース。

その子を「問題児」として見ていましたが、実は家庭内で大きな不安を抱えていたという実例があります。

「困らせる子」は、「困っている子」だったと気づいた瞬間、教師の対応が変わり、クラス全体が変化していきました。

崩壊から立て直しへ向かう先生の気づきとは?

教師が子どもに「ごめんね、先生も混乱していた」と素直に伝えたことで、子どもたちも変化を見せたという場面を見たことがあります。

「完璧じゃなくてもいい」と教師自身が認めたことで、子どもたちの信頼が戻ってきたという実例です。

自分を責めない“立て直し”のための5つの行動

学級崩壊かもしれない・・・

そう思っても、まず先生は自分を責めないでほしいです。

先生が悪いのではなく、方法がまだ他にあるだけだからです。

今からその〝立て直しのための5つの方法〟をお伝えしたいと思います。

①子どもは「困っている存在」|行動の奥を見る視点

「なぜこんなことをするのか?」ではなく、「どんなことに困っているのか?」という視点で行動を見ることが重要です。

子どもの行動記録をつける際も、指導の記録ではなく「困りごとのサイン」として整理します。

②「やり直していい」と自分に許可を出すこと

教師もまた人間です。
過去の指導が完璧ではなかったとしても、それを否定するのではなく「次に活かせる気づき」に変えていくという考え方をしましょう。

信頼できる同僚や管理職に、今の自分の不安や葛藤を素直に話すことも大切な第一歩です。

素直になって話してくれるあなたを管理職の先生は悪く思わないはずです。

むしろ、一緒に考えてくれる仲間となってくれるに違いありません。

③「空気を変える」最初の一歩を小さく始める

教室に入るときの一言を変える。

そんな行動をとってみましょう。

「おはよう、来てくれてうれしいよ」
「〇〇さん、今日はどんな日になるかな」

小さな言葉が、教室の“温度”を変えていきます。

④「関係性の修復」ではなく「再構築」を目指す

「一度崩れた信頼関係は、戻すのが難しい」と感じるかもしれません。

周りは、1学期(はじめ)が肝心なんだよね
などという同僚の先生もいるでしょう。

しかし、そんな言葉には何の根拠もありません。

“前の関係”に戻ろう、一学期からやり直したい
そう思うから難しいのです。

それは当たり前ですよね。過去にはどうしたっても出戻れないのですから。

私たちは今から先のことを考えなければいけません。

今から“新しい関係”を築き直す意識で関わることが、再出発のカギになります。

⑤一人で抱えないために|リソース活用のすすめ

・学年主任に「ステップを一緒に考えてほしい」と相談する
・スクールカウンセラーに「クラスの空気」について話す

他者とつながることで、視点が広がり、自分だけでは思いつかない対応策が見えてくることもあります。

この「視点が広がる」ということが重要です。

何か次に進まないと思ったときは、たいてい視野が狭くなっている時です。

そして、そんな自分に気づけていない時です。

人を頼るということは大きな先生としてのスキルなのかもしれません。

「立て直し」は“関係”から始まる|クラス再生の3つのヒント

①一人ひとりに話しかける時間をつくる

朝の会前の短い時間や帰りの会の後など、「先生が見ているよ」というサインを送る場面を意識的に持ちましょう。

②授業の合間に「安心感のある一言」を添える

「ここにいてくれてうれしいよ」
「昨日より今日、がんばってるね」

何気ない一言が、子どもの心を支えます。

③子どもを信じる声かけ・関わり方のコツ

・「あなたならきっとできる」
・「先生は応援しているよ」

信頼の言葉を繰り返すことで、子どもは“信じてくれる大人がいる”と感じられるようになります。

本当に困っているのは誰か?|学級崩壊を見つめ直す視点

管理職・保護者・子どもとの「板挟み」で疲れた先生へ

「保護者の不満」「管理職のプレッシャー」「子どもとの距離感」

——すべてを一人で背負おうとすると、心が擦り減ってしまいます。

まじめで優しい先生ほどこういう状況に陥りやすいです。
同僚の先生も管理職の先生も忙しそうだから、自分のことを相談するなんて悪い・・
そう考えてしまうのですよね。

そんな優しいあなたと接している子どもたちはまずは幸せだなと思います。

「自分も守る」ことは教師の責任感とは矛盾しない

「先生もちゃんと休んでほしい」と担任の先生のことを言っている小学校6年生の男子児童と会ったことがあります。

そこには深い意味があると私は感じました。

そんな子がいるように、大人が元気でいることは“支援”の土台なのかもしれません。

「壊れた教室」から生まれる“次の学び”とは?

一度崩れたからこそ気づけたこと。

・自分の思い込み
・子どもの本音
・関係性の再構築の可能性

崩壊は「終わり」ではなく、「次の学びの入口」として捉える視点が、重要です。

今の状況をプラスに持っていく視点が、先生自身を救います。

まとめ|学級崩壊に向き合うあなたへ伝えたいこと

立て直すというより、立ち直るということ

クラスをどうにかする前に、まずは自分自身が立ち直ることが大切です。

崩れかけた自分自身をまずは立て直しましょう。

教師もまた、支えられる存在であっていいのです。

同僚、管理職、教育コーディネーターといろんな人が周りにはいます。
いろんな意見を聞いて助けてもらいましょう。

あなたなら、必ず立ち直ることができますよ。

「もう遅い」はない|気づいたときが“はじまり”

どれだけ時間が経っていても、子どもとの関係は再出発できます。

「今さら…」ではなく、「今だからこそできること」が必ずあるのです。

「あの時、壊れてよかった」と言える未来のために

崩壊したことで、子どもとの関係を見直すことができた。

その経験を、他の先生や子どもに還元できた。

そんな未来がきっと、あなたの教室にも訪れます。

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