子どもや保護者対応

教員向け|“この子特別支援学級じゃないか”と思った時、担任がすべきことは「支援」じゃなかった

こんにちは!

「ねこまる」と申します。人です。
「小学校で支援員をしながら、先生のオンライン秘書」をしています。

今日は

「小学校の通常級の先生をしていて、あれ?この子、支援級をすすめたほうがいいのかな」とふと思ってしまった

というあなたへ

「先生が次に行動すること」について
お伝えしたいと思います。

最後まで読んでいただけましたら幸いです(=^・^=)

【はじめに】「この子特別支援学級かも?」と思った担任のあなたへ|教員向け

通常学級で子どもたちを見守る中で、
ふと「この子、もしかして特別支援学級の対象かもしれない」と思ったことはありませんか?

「指導が悪いのかな」「自分の力不足なのかな」——そんなふうに自分を責めてしまってはいないでしょうか?

でも安心してください。そう感じるのは、あなたが真剣に子どもたち一人ひとりを見ている証拠です。

この記事では、特別支援学級の知識に不安がある担任の先生に向けて、
「この子支援級じゃないか?」と思ったときに焦らずに取るべき【3つのステップ】を
具体的にお伝えします。

最後まで読むことで、きっと今の不安が「行動できる小さな一歩」に変わるはずです。

【STEP1】まずは状況整理|教員が特別支援学級をすすめる前に見たいことミニチェックリスト

「気になる…」と感じた時、すぐに支援学級への移行を考えるのではなく、 まずは客観的に現状を整理することが大切です。

以下のミニチェックリストを参考にしてみてください。

【学習面】

  • □ 基本的な指示が一度では通らないことが多い
  • □ 文字の読み書き・計算に極端な困難がある(学年相応に到達していない)
  • □ 板書やテストなどで集中力が続かない

【具体例】

  • 板書に20分かかり、授業が進められない。

【行動面】

  • □ 授業中に立ち歩く、座っていられない
  • □ 突然叫ぶ、暴れる行動がある
  • □ 集団活動が苦手で個別対応が頻繁に必要

【具体例】

  • 授業中に突然走り出してしまうことがある。

【対人関係】

  • □ 友達とのトラブルが頻発する
  • □ 自分の気持ちをうまく言葉で伝えられない
  • □ 空気を読むのが苦手

【具体例】

  • 友達に突然叩かれたと訴えるケースが続く。

【本人の様子】

  • □ 極端に学校を嫌がる、またはズレを全く気にしない
  • □ 頑張っても成果が出ず、自己肯定感が下がっている

【具体例】

  • 「どうせぼくなんかできない」と発言する。

🔵 チェック後にするべきこと

  • 無理に「障害名」をつけようとしない
  • まず”困っている場面”と”本人の困り感”を丁寧にメモする

とにかく、現状を言葉にしましょう。
これだけでも、後の相談・連携がスムーズになります。

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チェックリストの参考資料・参考記事リスト
1. 文部科学省|特別支援教育資料【参考URL】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/
2.みんなの教育技術|特別支援記事シリーズ
【参考URL】https://kyoiku.sho.jp/
3. 特別支援教育データベース(独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所)
【参考URL】https://www.nise.go.jp/
4. ベネッセ教育情報サイト|特別支援教育カテゴリ
【参考URL】https://benesse.jp/kyouiku/
5. 朝日新聞EduA(エデュア)|支援教育特集
【参考URL】https://edua.asahi.com/

【STEP2】校内で相談する|担任が取るべき行動ステップ

次に、自分一人で結論を出さず、校内で相談しましょう。

先生という職業はつい「なんでもよく知っていなければならない」と思ってしまいがちですが、教育の基本は古代ギリシャの哲学者ソクラテスが説いた「無知の知」にあるように
自分が知らないことを知っている、つまり「知ったつもりにならずにわからないことはわからないと認める」ところから始まります。

そして、周りの先生の意見を取り入れることもりっぱな先生としてのスキルなのです。

では、周りのよりよい協力を得るためにもいきなりまるごと聞くのではなく
相談前に事前準備をすることにしましょう。

🔵 相談前にまとめること

①【状況整理】

  • いつ、どこで、どんな困り感が見られたか
    (授業中/休み時間/集団行動/個別対応など)
  • 工夫した指導や配慮、それでも困難な点、担任自信の感じている違和感や不安
    (例:「授業中ほぼ毎日立ち歩く」「テスト中5分以上集中できない」など)
  • 本人の様子
    (自己肯定感・友達との関係・情緒の安定など)②【校内相談の準備】
  • 子どもの現状をまとめた簡単なメモ(箇条書きでOK)
  • 気になっていいるポイント・困っている具体例
  • 相談したい目的
    (例:支援学級対象の可能性について助言が欲しい」「今後の対応について相談したい」)

🔵 誰に相談する?

  • 学年主任:担任のフォロー・校内の情報共有を支援してくれる
  • 特別支援コーディネーター:支援対象がどうかのアセスメントや手続きの流れを教えてくれる
  • 養護教諭:健康面・情緒面がからアドバイスをもらえることも
  • スクールカウンセラー:心理的な面からアセスメント・保護者対応についても助言可能
  • 管理職(教頭・校長):最終的な校内支援決定に関与するため、経過報告も必要

【具体例】学年主任に「最近〇〇さんが授業中に座っていられなくて…」と相談したところ、支援コーディネーターに一緒に話をつないでもらえたという話を聞いたことがあります。

🔵 相談時に気をつけたい話し方

  • 「困っている現状」を中心に話す
    (「〇〇できない」ではなく「〇〇で困っている」)
  • 決めつけず、助言を仰ぐスタンスで
    (例:「発達障がいだと思う」などは避ける)
  • 「協力をお願いする」スタンスで相談する

保護者への伝え方についても事前に相談しておきましょう。専門的意見を聞いておくと注意点が明確になって、自信を持った話し方につながるのではないでしょうか。

🔵 相談後にやること

  • 相談の記録(簡単なメモ)を残しておく
  • 必要に応じて校内支援会議に情報提供する
  • 保護者に現状共有が必要な場合は、指導主事や管理職と連携して進める

こうして相談後にやることをしておくと次のアクションにつながりやすくなります。

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参考資料・参考記事リスト
1. 文部科学省|特別支援教育資料集・支援体制に関するガイドライン
【参考URL】https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/index.htm
2. 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所|校内支援体制整備に関する提言
【参考URL】https://www.nise.go.jp/
3. みんなの教育技術(小学館)|通常学級担任向け特別支援連載
【参考URL】https://kyoiku.sho.jp/
4. ベネッセ教育情報サイト|支援教育に関する実践記事
【参考URL】https://benesse.jp/kyouiku/

【STEP3】担任の保護者対応|伝える時に使いたいテンプレ5選

子どもに合った支援を進めるためには、保護者との信頼関係が不可欠です。
そして、覚えておいてほしいのは、子どもを支援級にする!と決めるのは最終的に保護者の方だということです。
そこを踏まえたうえで、支援学級をすすめる前に保護者の方にどのように現状をお話しするのか。使える言葉をいくつか書き上げておきましょう。

🔵 使えるテンプレート集

① 【現状共有】まずは子どもの様子を客観的に伝える

🎤「〇〇さん(お子さん)は、授業中に集中しづらい様子が時々見られています。
特に、板書や個別課題の場面で、難しさを感じているように見受けられます。」

※「できない」「問題がある」と言わず、困り感に焦点を当てるのがポイントです。

② 【担任の思い】子どものプラス面を伝えてから相談へつなげる

🎤「お友達との関わりの中では、明るく素直な面もたくさん見られます。
その良さをこれからも伸ばしていくために、学校内でどんな支援ができるか一緒に考えられたらと思っています。」

※最初にプラスの評価→支援の必要性をやんわりつなげると、保護者の防衛反応が下がります。

③ 【専門機関提案】支援学級を“ゴール”にせず、相談のきっかけにする

🎤「まずは、校内の特別支援コーディネーターや、必要であれば専門の先生とも相談しながら、〇〇さんにとって良い環境を一緒に考えていきたいと思っています。」

※支援級をいきなり「すすめる」のではなく、「まず相談」という流れに持っていくことが大事です。

④ 【保護者の気持ちを尊重】無理に誘導せず、話を聴く

🎤「もしご心配な点や、今までに感じられていたことがあれば、ぜひお聞かせください。
学校側だけで判断せず、ご家庭のお考えも大切にしたいと考えています。」

※一方的な提案ではなく、「ご意見を聞かせてください」と開くのが安心材料になります。

⑤ 【次の行動へつなげる】具体的な「次の一歩」を伝える

🎤「まずは学校内でできる配慮や支援を進めながら、今後必要に応じて専門的な相談窓口もご案内できればと思っています。
次回の個別面談でまた一緒にお話しできればうれしいです。」

※今すぐ決断させない。次の場面を設定して、時間的余裕をつくるのがポイントです。

【具体例】面談で「〇〇さんの集中力について少し気になっていまして…」とやさしく切り出したところ、保護者も納得して話し合いができたという話があります。学校と保護者は対立するものではありません。両者が同じ方向を向いているのは明らかです。子どものよりよい未来のための一歩をお話しできるといいですね。

【まとめ】担任ひとりで結論を出さなくていい

特別支援学級への移行は、決して「担任の力量不足」ではありません。

むしろ、

  • 子どもの困り感に気づき、
  • 校内チームと相談し、
  • 保護者と協力しながら進める

このプロセスこそが、子どもたちの未来を守るために必要な一歩です。

焦らず、一人で抱え込まず、 「みんなで子どもを支える」スタンスを大切にしていきましょう。

この記事が、あなたと、あなたのクラスの子どもたちにとって 小さな勇気と道しるべになれたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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