子どもや保護者対応

【むしろ通常級の子が特別という考え方】支援のいらない子って本当に普通なのか

こんにちは、ねこまる⁺です。
小学校で発達障害児や特別支援学級児童の支援員をしながら、
先生をサポートする仕事をしています。

小学校教員生活、今日もお疲れ様です!
あなたがここにたどりついたということは、
パソコンを開いていろんな知識を得ようと日々努力されている方なのではないかと思います。

「発達障害」という言葉が最近気になる・・

「発達障害の種類」を検索している担任のあなたは、
今きっと、教室の子どもたちとの関わりの中で、
何かモヤモヤを感じているのではないでしょうか。

「この子、もしかして発達障害かも…でも、発達障害の種類ってちゃんと理解できてるかな」
「発達障害の種類ごとに対応が違うっていうけど、勉強すれば分かるものなの?」
「そもそも、支援が要らない子って、今の通常学級にどれだけいるんだろう…」

現場の先生であれば、一度はこう感じたことがあるはずです。

感じたことがなければ、いっしょに考えてみませんか。

支援学級(特別支援学級)と普通学級の主な違いは、「支援の必要性と少人数制の有無」です。
支援学級は、障害のある子供や学習困難を抱える子供のために、個別のニーズに応じた支援を提供する少人数制のクラスです。
一方、普通学級は、一般的な学年構成で、一律のカリキュラムで授業を行うクラス。

私自身、通常学級の担任として働いていたとき、
「この子はASDかも」「この子はADHDっぽい」…と発達障害の種類ばかりを気にして、
本当に必要な支援の視点を見失いかけていたことがありました。

自分の指導方法を知識に頼っていたのです。

もちろん、知識は大事です。
そこから見えるものもたくさんあるからです。
でもそれだけでいいのかということも立ち止まって考えてみてほしいのです。

この記事では、
発達障害の種類にこだわりすぎない、
新しい見方=“支援が要らない子の方が特別かもしれない”という視点をお届けします。

発達障害の種類を整理した上で、
現場で本当に必要な支援とは何か、
発達障害の種類だけでは見えてこない、子どもを見るもう一つの視点を一緒に探っていきましょう。

 

「発達障害 種類」と検索する前に|あなたが感じている“違和感”の正体をはっきりさせよう


「発達障害 種類」と検索してこのページにたどり着いたあなたは、もしかしたら、教室で気になる子がいて、どう対応したらよいか悩んでいるのではないでしょうか。

その子は、授業中に立ち歩いたり、話しかけても返事が返ってこなかったり、提出物を何度言っても忘れてしまったり…。

「発達障害なのかな?」「支援が必要?」と思っても、診断があるわけでもなく、他の先生に相談するのもためらってしまう。

でも、そんな“違和感”こそが、先生としての感性の現れであり、支援のスタートラインなのです。

まずはそんな子どもがいることに気づけた

そんな自分を褒めてあげてください。

そのうえで、発達障害について少し知識を増やしていくことにしましょう。

発達障害の種類を知ることは“第一歩”にすぎない


発達障害は大きく分けて、
・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠如・多動性障害)
・LD(学習障害)
・知的障害
の4つに分類されることが多いです。

でも、実際の子どもたちは「分類どおり」には当てはまりません。
たとえば、授業中に落ち着かないADHDの傾向を持ちながらも、こだわりが強くてASDのような一面を見せる子もいます。

こうした“ミックス型”の特性を持つ子どもたちにこそ、対応が難しく感じられるものです。
子育ては「マニュアル通りにはいかない」とよく言いますが、まさにその通り。

発達障害の「種類」にこだわるよりも、「どんな場面で困っているのか」を捉えることが、支援のカギになります。

昨今、「グレーゾーン」という言葉をよく聞くようになりました。
あなたもよく聞くでしょうし、使っている方も多いでしょう。

「グレーゾーン」とはどんな子たちなのでしょうか。
次に、「そんな子たちから学ぶこと」をお伝えしようと思います。

グレーゾーンの子どもたちから学ぶ|障害の診断より「今何に困っているかどうか」の重要性


「支援が必要かもしれないけれど、診断はない」
「診断を受けるほどではないかもしれない」──いわゆる“グレーゾーン”の子どもたちは、今とても多くなっています。

ある男の子は、授業では集中しているように見えるけれど、毎回宿題や提出物を忘れ、何度注意しても変わらない。
保護者からも「うちの子、大丈夫でしょうか」と不安の声が上がりました。

「発達障害なのかどうか」ということは、昨今とても気になるところなのです。

絶対そんなことはない!と思う保護者もいれば
そんな可能性があるなら、診断を早くしてもらわないと!と思う保護者もいます。

先生も保護者からそんなことを聞かれては、気になってしまうところですよね。

しかし、まず考えてほしいのは、本人のことです。
診断があるかどうかではなく、本人が「今、学校生活でどんな困り感があるか」
これがとても重要なのです。

この「本人の困り感」を知ることがが支援のスタート地点なのです。

【チェックリスト】

  • 集団行動に極端に苦手意識がある
  • 音や光など、感覚の過敏さがある
  • 一度の指示で動けないことが多い

ひとつでも当てはまる場合は、支援の可能性を考えてよいサインです。

今一度、その子をよく観察してみましょう。

通常級の中にも「支援が必要な子」はたくさんいる


「支援は特別な子のためのもの」──そう思っていませんか?

でも実は、「何の支援もなく順調に過ごせる子ども」は、ごくわずか

一見、「何も問題のない子」に見えてしまう子も、実は先生の助けを求めていたりします。
いわゆる「いい子」も言いたいことを言えずに辛い思いをしている場合もあるのです。

「先生はこんなに頑張っているのに私のことを見てもくれない」
と落ち込む子どもに会ったことがあります。
「分からない」と言えない子や「助けて」と言えない子どもはたくさんいるのです。

明らかに支援が必要な子を私たちは支援しますが、
実は支援が要らない子が“特別”という考え方を私は推奨します。
大半の子どもは何かしらの支援や配慮によって学校生活を乗り越えています。
見逃しがちな子どもたちに目を向けることも忘れてはならない大事なことなのです。

たとえば、授業の「見通し」を板書で示すだけで、多くの子が安心して授業に集中できます。これは「支援学級」だから必要な配慮ではなく、「通常学級」にこそ有効な工夫です。

先日も、小1通常級の授業中、そわそわしているおとなしそうな女の子がいて
そっと近くによってみると
「次は何するの?」と小声で聞いてきたということがありました。
私は即
「それはまた先生の指示があるから、今は先生のお話をしっかり聞いてね」
と声掛けしましたが、その子はきっとその後も話を聞けなかったと思います。
次の行動が気になりすぎて落ち着かないのです。

その子はまだ私に聞けるだけましなのかもしれません。

通常級の子たちで一見何も問題なく過ごしている子の中にも支援を求めている子はたくさんいると私は感じています。

先生に完璧を求めるように言っているのではありません。

そんな子もいるのではないかという視点を持ってほしいということです。

「通常級」での支援をたくさん考えていってほしいと思っているところです。

あなたがすでにやっていること=立派な支援です

支援の重要性についてお話してきましたが、私は決して、あなたが支援をしていないと指摘しているのではありません。

支援というと難しく聞こえるかもしれませんが、すでにあなたがやっていることも立派な支援です。

・声かけを変えた
・席を移動させてみた
・提出物を出しやすい順に配った

こうした対応はどんな先生でもしていることだと思います。
ほんの小さな対応もその子にとっての“生きやすさ”につながっています。

知識も大事ですが、それよりも「行動してみること」が、子どもたちにとっての支えになるのです。

「やってみなければ分からないこと」はベテランの先生でさえもたくさんあります。

間違ってもよいと思います。手のかからない子にも何か行動をしてみる、グレーゾーンだと思われる子にも根気強く行動をおこしてみる。
そういった「その子と関わる」ということそのものが支援というものなのではないでしょうか。

支援は正解・不正解ということは問題ではありません

一生懸命かかわってくれる先生に対して、子どもたちは精一杯それに応えようと努力するでしょう。

そして、その子への支援は次にステップアップしていきます。

校内でできる!支援への相談・連携ステップ

支援員の仕事をしていると思うことがあります。
先生という仕事をしていると、周りに相談することを躊躇してしまいがちだということです。
「相談する=子どものことが分からない=仕事ができない」
と考えてしまうからなのではないでしょうか。

そこで今一度よく考えてほしいです。
本当に自分で解決できないことが仕事ができないことなのでしょうか。

むしろ私は、「周りに相談できること」こそ教員としての大きなスキルだと思っています。
「自分ひとりで抱え込まないこと」も、大切な支援の一部なのです。

もちろん、いろんな意見を聞くことで判断が迷ってしまうということもありますが、
やはり相談して自分の思い込みを捨てることも解決の糸口になることも多いです。

「支援コーディネーター」「学年主任」「養護教諭」「管理職」──校内にはたくさんの相談先があります。

相談は少し苦手だと感じている先生も少なくないと思います。
以下に相談の流れの例を書いてみました。

【相談の流れ例】

  1. 自分で困りごとをメモしてみる
  2. 信頼できる先輩に声をかける
  3. 支援コーディネーターと情報共有
  4. 必要に応じて保護者にも現状報告

「特別な支援」ではなく、「相談できる仕組み」こそが、学校全体の支援力を高めていくのかもしれません。

まとめ|「発達障害の種類」より、子どもを支える“あなたの目線”を大切に


「発達障害の種類」を明確にしたいあなたには、誰かのために悩み、支援したいという先生の優しさが根本にあります。

調べて、いったん知識を頭に入れたら次はそれらにこだわらないという考え方も大事だということを忘れないでくださいね。

分類や診断名にとらわれず、

「この子、今つらそうかも」
「ここで困っていそう」
と思ったなら、もうあなたの支援の一歩は始まっています。

通常学級の中にいる“支援の必要な子”に、やさしく手を差し伸べる存在でいられること。
付け加えていえば、障がいの診断がある支援級の子たちにも診断名にとらわれすぎない支援をすること。

それこそが、教員にしかできない、尊い仕事のひとつです。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
ぜひ他の記事も読んでくれたらうれしいです(=^・^=)