こんにちは、ねこまるです。
小学校で発達障害児や特別支援学級の支援員をしています。
教室や家庭で「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちと向き合うなかで、
「この子には、どんな接し方がいいんだろう……」と悩んだことはありませんか？
私自身も、「もっと優しく」「もっと寄り添って」と思いながら、
実はどこかで迷うことはよくありました。
グレーゾーンの子どもたちは、見た目にはわかりにくいけれど、
接し方ひとつで安心もすれば、逆に不安定にもなりやすい繊細さを持っています。
この記事では、
「グレーゾーンの子どもへの接し方」に悩むあなたに向けて
優しさだけではうまくいかない本当の理由
そして、子どもも支援するあなた自身も大切にするために必要な“自己肯定感”の守り方
を、わかりやすくまとめました。
グレーゾーンの子どもへの接し方に悩むのは、
あなたが本気でその子を大切に思っているからです。
だからこそ、この記事を通して、
グレーゾーンの子どもたちに必要な「安心できる枠」の作り方を一緒に考えていけたらと思います。
「支援する側」も「支援される側」も、どちらかだけが苦しくならない。
そんな接し方のヒントを、ここで見つけてもらえたらうれしいです。
1. なぜ「グレーゾーンの子ども」の接し方に悩むのか
「グレーゾーン」とは？通常学級にいる子どもたち
グレーゾーンとは、発達障害と診断されるほどではないけれど、行動や学習、対人関係に特性がある子どもたちを指します。通常学級に在籍していることが多く、外からはわかりにくいため、接し方に戸惑うケースが多いのが特徴です。
なぜ優しくするだけではうまくいかないのか
「優しく接すれば大丈夫」と思っていても、自由にさせすぎると不安定になったり、ルールがないことで混乱したりすることもあります。優しさだけでは不十分なことがあるのです。
支援する側が疲弊してしまう理由
支援者自身が「もっと優しく」「もっと寄り添わなきゃ」と思い詰めることで、疲弊してしまうことがあります。特に結果を求めすぎると、自分自身の自己肯定感も低下し、支援が続けられなくなってしまうリスクもあります。
2. グレーゾーンの子どもへの「よかれと思った接し方」が逆効果になるとき
自由にさせすぎて逆に不安定になった実例
「好きにしていいよ」と伝えた結果、何も始められず固まってしまった子ども。「好きに遊んでいい」と言われ、どう動いていいかわからず泣いてしまった子ども。自由は時に不安を増幅させます。
甘やかしと支援の違いとは
支援とは、困っている部分に具体的なサポートをすること。一方で、甘やかしはルールをなくしてしまい、かえって子どもの不安や依存を強める結果になります。
子どもにも支援者にも必要な「安心できる枠」とは？
安心できる枠とは、「ここまでなら大丈夫」と子どもに予測可能性を与える環境のことです。大人にとっても、この枠があることで支援に自信を持てるようになります。
3. 「優しさ」だけじゃない｜グレーゾーンの子どもに必要な接し方5原則
①「見通し」を伝える
「今は算数、次は体育だよ」と次にやることを必ず伝える。これだけで子どもは安心して動けるようになります。
②「ルール」を明確にする
「ここでは歩いて移動する」「机の上には物を置かない」など、具体的なルールを共有することで混乱を防ぎます。
③「できたこと」をすぐ認める
小さな達成に対して「今、ちゃんと座れてたね！」とすぐに声をかけることで、自己肯定感を育てます。
④「できないこと」も受け止める
「できないからダメ」ではなく、「今は難しいんだね」と受け止め、次にチャレンジする気持ちをつなぎます。
⑤支援する大人も「守るルール」を決める
「必ず次にやることを伝える」など、自分自身の支援ルールを決めることで、ブレない支援を実現します。
4. 教室でできる！グレーゾーンの子どもへの小さなワンアクション集
「あと5分で始めようね」と声かけする
時間を具体的に伝えることで、心の準備ができ、切り替えがスムーズになります。
「次に何をするか」を必ず予告する
次の活動をあらかじめ伝えることで、子どもの不安を減らし、行動が安定します。
「これが終わったら休みだよ」とゴールを示す
「ここまで頑張ったら休める」という見通しを与えることで、頑張る意欲が高まります。
「〇〇できたね！」と小さな達成をすぐ認める
一つ一つの小さな成功体験が、子どもの自己肯定感を支えます。
今日の支援で「よかったこと」を自分にメモする
支援する側も「今日できたこと」を見つけることで、自己肯定感を育てながら支援を続けることができます。
5. グレーゾーンの子どもを支援するあなたへ｜自己肯定感を守る考え方
「支援がうまくいかない」と感じたときに思い出してほしいこと
支援は一回一回が実験のようなもの。うまくいかなくて当たり前。大事なのは、トライをやめないことです。
「できなかったこと」ではなく「できたこと」を見る習慣
1日を振り返るとき、「あの子が笑った」「指示に一回で反応できた」など、小さなできたを意識しましょう。
あなた自身の自己肯定感を育てるワンアクション
夜寝る前に「今日よかった支援」を一つだけ思い出して書き出す。これを習慣にするだけで、自己肯定感は確実に育っていきます。
6. まとめ｜子どももあなたも、大切にできる接し方を
優しさだけでは守れないものがある
本当の優しさとは、自由にすることではなく、「安心できる枠」をプレゼントすること。
グレーゾーンの子どもには、予測可能な環境が何よりも大切です。
枠を作ることは、信じること
ルールを設けるのは、子どもを制限するためではありません。
子どもが安心して、自分らしく過ごせるようにするための信頼の表現です。
「完璧じゃなくていい」支援を、今日から
支援に正解はありません。あなたが悩みながらも一歩ずつ続けていること自体が、子どもたちにとって何よりの希望です。今日から、「できた一歩」を一緒に喜び合っていきましょう。
この記事が、グレーゾーンの子どもと、支援するあなた自身、両方の自己肯定感を守るための一助になればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
他の記事も読んでいっていただけたらうれしいです(=^・^=)
