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【長期化】不登校|支援は何から始める?|最初の一歩が分からない先生へ

こんにちは、ねこまるです。
小学校で発達障害児や特別支援学級児童の支援員をしながら
先生のサポートをする仕事をしています。

「不登校 支援」と検索してこのページにたどり着いたあなたは、きっと、長期化している不登校の児童・生徒に対して「何をすればいいのか分からない」と悩んでいる先生かもしれません。

最初の1年は「待つ支援」で見守った。けれど2年目になり、「さすがに何かした方がいいのでは」と感じ始める。そんなときに限って、周囲からの言葉が心に刺さる──

「まだ〇〇さん、来てないんですね」

その言葉に、焦りと無力感が同時に湧いてくること、ありませんか?

この記事では、

不登校 支援が長期化したときに抱える先生の葛藤
次の一歩としてできる”小さな支援の再設計”
実例から学べる具体的な工夫

をご紹介します。

“待つ”以外のアプローチを、もう一度、先生自身の中から見つけてみませんか。

「不登校 支援」が長期化したとき、先生が感じやすい悩みとは

1年待っても変化がない…「私の支援は間違っていたのか」

「1年間、プリントを届け続けたのに…」
「家庭訪問を何度もしたけど…」

それでも一度も登校にはつながらない──。そんな経験をしたことはありませんか?

そのたびに、「自分の支援は意味があったのか」と悩んでしまう先生は少なくありません。

周囲の目が気になってくるときに起きる“焦り”と“孤独感”

同僚からの一言や、校内での空気がプレッシャーになることもあります。

「待っていても何も変わらないんじゃない?」
「もう少し積極的に動いた方がいいのでは?」

そんな視線に、焦りと自責の念が重なり、次の一歩が踏み出せなくなるのです。

「不登校 支援」の正解が分からないと感じるあなたへ

そもそも「不登校 支援」には、明確な正解はありません。
だからこそ、多くの先生が「これで合ってるのか?」と不安になるのです。

けれど、“正解を探す”のではなく、“今できることを再確認する”ことが、支援再設計の第一歩になります。

「待つだけでは変わらない」と感じたときにできること

「不登校 支援」初期の“待つ”対応を棚卸しする

これまでの支援を“見える化”してみましょう。

  • いつ、どんな手紙を送ったか?
  • 電話はどのタイミングで、どんな反応だったか?
  • 保護者とのやりとりの中で変化はあったか?

支援が「止まっていた」のではなく、「動いていたこと」も見つかるはずです。

「支援=登校させること」ではないと気づく

「来させる」ことをゴールにしてしまうと、成果が見えづらくなります。

大切なのは、学校とのつながりを保ち続けること

  • 返事がなくても届けたメッセージ
  • 見ていなくても入れているプリント
  • 会っていなくても続けている電話

これらすべてが“関係の橋”になっているのです。

「先生の役割って何?」をもう一度考え直す

「この子にとって、私はどんな存在でいたいか?」

  • “戻るきっかけ”になれる人?
  • “気にかけてくれてる人”?

正解はひとつではありません。
でも、あなたの“存在そのもの”が支援になっている可能性を忘れないでください。

「不登校 支援」の再出発に向けた5つのアクション

① 状況の棚卸し

→ 時系列で関わりを整理し、「何をしてきたか」「どんな反応があったか」を書き出す。

② 自分の支援スタンスを明確にする

→ 支援の目的(登校再開?つながり維持?)と、できること・できないことを整理。

③ “非登校状態でもできる関わり” を設計し直す

→ メール、動画メッセージ、キャラ入り手紙など「間接的支援」の幅を広げる。

④ 保護者との再連携

→ 「今の困り感」「できそうなステップ」を一緒に再構築する。

⑤ 校内チームとの相談

→ 特別支援コーディネーター、SC、養護教諭などを交え、支援会議を再設計。

登校再開より大切な「不登校 支援」のゴールとは

「来させる」ではなく「つながる」が第一歩

不登校の子どもと関わるとき、多くの先生や保護者が最初に目指してしまうのが「登校再開」です。「なんとか学校に戻ってきてほしい」「教室で一緒に過ごせたら安心」という気持ちは、ごく自然なものです。

でも、不登校支援の“第一歩”は、登校ではありません。
本当に最初に目指すべきなのは、「つながること」です。

なぜなら、不登校の背景には、学校への不安、人間関係のつまずき、心のエネルギー不足、家庭内の環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。その状態で「来させる」ことを優先すると、子どもにとっては負担やプレッシャーになってしまうからです。

ある子どもが言いました。

「“来てほしい”って言われるたびに、“行けない自分”が責められてる気がした。」

だからこそ、まず必要なのは**「来なくてもいい。でも、あなたとはつながっていたい」**というメッセージを届けること。
たとえば、こんな関わりが“つながる”支援です。

  • 毎週プリントと手紙を届ける

  • 季節の話題をメッセージに添える

  • 学校でのちょっとした出来事を電話で伝える

  • 保護者を通じて「あなたのことを応援してるよ」と伝える

これらはすべて、「来なさい」ではなく、「今のあなたで大丈夫」と伝える関わりです。

つながり続けることこそが、子どもの“安全基地”になります。

その中で、「もう一度行ってみようかな」と思えたとき、子どもは自分の足で学校に向かう準備が整っていくのです。

支援とは、急がせることではなく、“待てる関係をつくる”こと。
「来させる」ではなく、「つながる」を第一歩に。
そこから、子どもが“自分の力で進み出せる日”を、そっと支えていきましょう。

子どもにとって“安心できる接点”を保つ意味

不登校の子どもは、「学校=怖い場所」「自分を否定された場所」と感じていることが少なくありません。
そんな子どもたちにとって、教員や学校とのつながりを完全に断ち切ってしまうことは、安心どころか“自分は見放された”というメッセージとして伝わってしまうこともあります。

だからこそ、「安心できる接点」を持ち続けることが、支援の土台になります。

たとえば、たった一通の手紙。
「最近はどう? 先生は〇〇さんの話をよく思い出しています」といった、あたたかい言葉だけでも、子どもにとっては“まだつながっている”と感じられる支えになります。

また、保護者を通じての間接的なやりとりでもかまいません。
「先生がずっと気にかけてくれている」と分かるだけで、子どもは“いつでも戻っていいんだ”と心に余白が生まれます。

登校が難しくても、「完全に離れたわけではない」と思える関係こそ、再び歩き出す準備となるのです。
支援のゴールは「登校」だけではなく、「安心して社会とつながる力」を取り戻すこと。
その第一歩として、「安心できる接点」を丁寧に育てていくことが、何より大切なのです。

「また失敗したくない」と思う先生へ伝えたいこと

不登校支援に関わっていると、ふとしたときに胸をよぎるのが「前も上手くいかなかった」「また同じ失敗をするんじゃないか」という不安ではないでしょうか。

でも、どうか忘れないでほしいのは――「その子に関わろう」としているあなたの姿勢自体が、すでに大きな支援になっているということです。

うまくいかなかった過去があっても、それはあなたがその子のために何かしようとした証です。失敗したくないと思うのは、それだけ真剣に向き合っているから。だからこそ、自分の過去を責めるのではなく、「あの経験があったから、今はこうしていられる」と肯定してほしいのです。

支援は、「正解のあるマニュアル」ではありません。
子どもと一緒に迷い、考え、手探りで歩いていく道です。

だからこそ、「前と違うアプローチをしてみよう」と思えるあなたの一歩が、きっと子どもにとっても“新しい風”になります。

大切なのは、“もう一度やってみよう”と思えること。
それが、支援の再スタートです。

支援する先生も、自分をいたわっていい

「がんばっても変わらない」日々が続くときの心の持ち方

毎日声をかけているのに返事がない。家庭連絡をしても変化が見えない。そんな“変わらない日々”に、心がすり減っていくことがあります。
でも、どうか思い出してほしいのです。「変わらないように見える」だけで、関わりは確かに積み重なっているということを。

支援の現場では、“すぐに成果が見えること”はむしろ稀です。特に不登校支援やグレーゾーンの子どもたちとの関わりでは、「昨日と同じ今日」が続くことが、実は**“安心できる毎日”を提供できている証**かもしれません。

子どもたちは言葉には出さなくても、あなたの存在や関わり方をしっかり感じています。そしてそれが、「また関わってもらえるかも」「次に進んでも大丈夫かも」という小さな勇気の種になります。

大丈夫。変化が見えなくても、意味はあります。
“今日もできたこと”を、どうか先生自身が認めてあげてください。
支援する先生が疲れ果ててしまっては、本末転倒です。

あなた自身の心も、毎日少しずつ守ってくださいね。

「私の関わりは意味がある」と感じ直すために

支援をしていて「何の意味があるんだろう」と思ってしまう瞬間は、誰にでもあります。子どもが教室に戻ってこない。声をかけても目を合わせてくれない。
1年経っても変化が見えない…。
そんなとき、まるで自分の関わりが“空気のように通り過ぎている”ような虚しさを感じることがあるかもしれません。

でも、子どもたちの変化は「登校した」「話した」などの目に見える形だけではありません。
あなたのかけた一言、渡したプリント、休み時間のさりげない笑顔…すべてが「自分は見捨てられていない」という感覚を育てています。

ある日、何気なくかけた「おはよう」のひと言に、数か月後に子どもが「それがうれしかった」と言ってくれた先生がいました。関わりの“意味”は、すぐに分かるものばかりではないのです。

だからこそ、「自分の関わりは意味がある」と、まず自分が信じてあげてください。
意味を探すのではなく、関わりそのものを大切にすることで、見えない変化は静かに動き出します。
焦らず、投げ出さず、「続けている自分」を、今日も認めてあげましょう。

「不登校 支援」は、子どもと先生の共同作業

「不登校 支援」というと、どうしても“大人が支える”“先生が導く”という構図を思い浮かべがちです。
でも実際は、支援は先生が一方的に“してあげる”ものではなく、子どもと一緒に作っていく“共同作業”です。

子どもが心を開き始めたとき、その小さなサインに気づいて寄り添う。
逆に、まだ心が閉ざされているときには、無理に開けようとせず、そっと待つ。
その“やりとり”の中に、支援の本質があります。

たとえば、渡したプリントが翌週に少しだけ開かれていた。
電話越しに一言だけ返事が返ってきた。
—これらは、子どもからの「小さな協力」です。
それに気づいて「ありがとう」と応えるとき、支援は“先生だけの仕事”から、“子どもと先生の信頼の積み重ね”へと変わっていきます。

支援に“正解”はありません。
大切なのは、「先生も子どもも、お互いの一歩を認め合える関係」を築こうとすること。
あなたの姿勢そのものが、子どもを安心させる支援になっています。

まとめ|不登校 支援は、迷いながら進んでもいい

不登校支援が長期化すると、「自分の関わりは本当に意味があるのか」と迷うことがあるかもしれません。
でも、支援は“結果”で評価するものではありません。
子どもが再び歩き出すまでの“待つ時間”も、“寄り添い続ける姿勢”も、すべてが支援です。

「不登校 支援」は、登校再開という“ゴール”に向かう一本道ではなく、子どもと信頼を築き直す“対話の道”です。
たとえその道が見えにくくても、あなたの声かけ、手紙、気づきのまなざし——そのひとつひとつが、確かに子どもに届いています。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、今日も関わりを“続ける”勇気を持つこと。
そして、自分の中の「できている支援」を認め、焦らず一歩ずつ進むことです。

どうか、自分の関わりを信じてください。
それは、子どもにとって“戻れる場所”を支える、大切な灯りなのです。


この記事が、あなたの「次の一歩」をそっと後押しできるものになりますように。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
他の記事も読んでくれたらうれしいです(=^・^=)